筋強直性ジストロフィーとは

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筋強直性ジストロフィーとは

筋強直性ジストロフィーとは

筋強直性ジストロフィー(以前は「筋緊張性ジストロフィー」と呼ばれていました)は大人では最も頻度の高い筋ジストロフィーです。主な症状はその名前の通り、筋強直現象(ミオトニー)と筋ジストロフィー(筋のやせや力の低下)です。優性遺伝形式をとり、患者さんの割合は男女ほぼ同数です。患者さんにより症状の重さや発症年齢はさまざまで、発症年齢から成人型、幼(若)年型、先天型に分けられ、先天型は生まれたときから著明な筋力低下を示すことが多いです。

筋強直性ジストロフィーの症状

主な筋肉の症状は、筋強直現象(ミオトニー)と筋ジストロフィー(筋のやせや力の低下)です。筋強直とは筋の一種のこわばりのことで、手を強くぎゅっと握るとその後すぐに指が伸ばせずスムーズに手を開けない(把握ミオトニー)とか、親指の付け根の手のひらの筋肉を診察用のハンマーで叩くと収縮し指が動く(叩打ミオトニー)といった症状が有名です。筋強直現象は繰り返し同じ運動をすると軽くなるので、しゃべりだしで舌がうまく動かない、歩きだしの数歩が出にくいといったことが、しばしば経験されます。

もうひとつの筋の症状であるやせ(萎縮)や力の低下は、首を支える(胸鎖乳突筋)、指先で物をつまむ、つま先を挙げる(前脛骨筋)などの筋から障害される事が多いです。そのため、ペットボトルのふたが開けにくい、つまずきやすいといった症状を初期から自覚しやすいです。

筋強直性ジストロフィーは、筋ジストロフィーのひとつですが、多くの臓器の症状を合併する全身疾患であるという特徴があります。代表的なものに、白内障、不整脈、呼吸障害、糖尿病、高次脳機能障害、消化器症状、良性・悪性腫瘍などがあります。

筋強直性ジストロフィーの診断

典型的な症例は、筋力低下、筋強直現象、顔つきなどの臨床症状、若年の白内障などの病歴、家族歴などから、経験のある医師であれば容易に診断できます。しかし、症状の軽い患者さんは臨床症状で診断するのは容易でなく、針筋電図でミオトニア放電とよばれる特徴的な波形により気付かれる場合もあります。確定診断は血液での遺伝子検査で行いますが、事前に主治医の先生と遺伝子検査について十分な相談を受けてから行って下さい本邦に多い1型の検査は保険適応ですが、2型については専門研究機関へ依頼します。

◆先生方へ「筋強直性ジストロフィーを疑ったら」
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筋強直性ジストロフィーの治療

これまで根本治療法は見つかっていませんでしたが、核酸医薬の有効性が動物実験で示されており、患者さんを対象とした臨床治験の準備が進んでいます。リハビリテーションで筋力低下による関節の拘縮を予防すること、歩行機能を維持するために病状にあった装具や杖などを用いることも大切です。合併症が多いもののその多くは治療可能なため、合併症の存在を念頭に定期的検査を行い、早めに対処することがとても大事です。突然死が多いことも知られており、主な原因として誤嚥や呼吸機能低下(睡眠時無呼吸)、不整脈などが示唆されています。嚥下機能や睡眠時の呼吸検査、24時間心電図などの定期的評価と早期の対応が予防策として重要です。