お知らせ・最新医療情報

メールマガジンのご登録

お知らせ・最新医療情報

お知らせ・最新医療情報

2014年01月21日

【ジストロフィノパチー】 SMT C1100についてのお知らせ

Q:SMT C1100の臨床試験について教えてください

A:デュシェンヌ型筋ジストロフィーではジストロフィンというタンパク質が欠損することで筋肉の細胞が壊れやすくなり、筋力が低下し筋肉が痩せていくことがわかっています。SMT C1100はジストロフィンによく似た蛋白質であるユートロフィンを、筋肉の細胞に普通よりも多く作らせてジストロフィンの代わりに骨格筋細胞の壊れやすさを防ぐ効果があり、開発がはじまりました。背景として、オックスフォード大学のDavies教授らのグループが、1998年に筋ジストロフィーモデルマウスの筋細胞ではユートロフィンが普通よりも多くつくられ筋肉の変性を軽減している可能性があること(Nat Med, 1998)、2011年には、筋ジストロフィーモデルマウスにSMT C1100の経口投与を行い、筋肉の病理像や筋張力や運動機能の改善がみられた(PLoS ONE, 2011)との研究成果があります。
 2012年から、Summit PLC社によってSMT C1100の第1相試験がはじまり、健康な人で血液中の試験薬の有効な濃度が維持され安全に投与で きることが確認され、2013年12月からオックスフォード大学でDMDの患者さんへの投与試験がはじまりました。http://www.summitplc.com
また2013年6月には TREAT-NMD  Advisory  Committee  for Therapeutics(TACT, 臨床開発のアドバイスをする専門家委員会)にも相談があり、2014年から欧米でデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんを対象とした有効性を検討する第2相試験が開始されるとアナウンスされています。日本での臨床試験の計画に関する情報はまだ明らかではありませんが、将来的にデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する治療として研究の進展が注目されています。(国立病院機構 熊本再春荘病院 神経内科 石崎雅俊)

注)今回の質問は、筋ジストロフィーの遺伝子治療、ジストロフィン・ユートロフィン二重欠損モデルマウスを使った治療研究に大変詳しい石崎雅俊先生に相談してお答えをいただきました。石崎先生、ありがとうございました。

投稿者:Remudy/神経・筋疾患患者登録